先月2/27(木)に提出した「福島原発事故由来の汚染土活用事業に関して豊橋市として環境と市民を守る準備を求める陳情書」を提出したのですが、同時にその補足として5分間で解説(?)できる、「意見陳述」も申し込んでいました。
新型コロナ蔓延中なので、果たして実施されるのかしら?と思っていましたが、“マスクの着用”や“出入口でのアルコール消毒”のお願い付きで、3/23(月)10:00から予算特別委員会にて意見陳述させていただくことができました。
会のメンバーにも声を掛けて、傍聴という名のタッグでGO!と思っていたけど、みんなお母さんなわけだし、情報は追って共有できるからいっか!ということで、単体で乗り込んだのですが、3組いたうち、当会以外の「意見陳述者」がゴッツリ知り合いで、わー!奇遇ッ!いや、奇遇ちゃう!豊橋の市民活動が狭いだけだに!と、ノッケでゲラゲラ出来たので、とてもリラックスして臨めました。
5分間は約1500文字程度なのに、減らしても削っても2000文字超え…、現場で端折って約1700文字程度にしたものを転記させていただきます。。
福島原発事故由来の汚染土活用事業に関して
豊橋市として環境と市民を守る準備を求める陳情書
意見陳述
本日は、意見を述べる機会を与えて頂き、有難うございます。
私たちの会は、3.11東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故で発生した放射能の心配をきっかけとして、活動を始めました。
今回、国が進めている「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用」事業に対して、強く懸念があり、「豊橋市として環境と市民を守る準備を求める陳情書」を提出するに至りました。
私たちの会は、過去震災がれきの広域処理も不安に思い、市に対して公開質問状を提出し、ご回答頂きました。
2012年当時、佐原市長は被災現地に足を運ばれた結果として、「広域処理を受けなくてもいい」、「東三河は被災地の域内処理への支援が第一」と発言され、とても心強く感じたことを覚えています。
放射性物質は拡散させない、という原理・原則に則った上で、被災地のために、東三河が出来ることを、行政として検討してくださっていると思いました。その瓦礫の広域処理問題から8年の間に、今回懸念している「除染した土」それはつまり放射性物質で汚染された「汚染土」になるものですが、それを「再生利用資源」として「活用」する事業が、じわじわ進められてきました。
現在、環境省の元でこの戦略検討会が行われており、今、仮置き場にある福島県内の除去土壌、汚染土は約1400万リューベ、そのフレコンパックに入っているものの中から汚染濃度の高いものは中間貯蔵施設へ、それ以外を再生利用するために有機物・異物などを除去して、資材化して「県外で活用」していくという計画だそうです。
環境省は「あくまでも放射性物質の安全性の確保を大前提として、用途を限定して適切な管理の元で利用していく」と説明していますが、直近の検討会は昨年12月19日でしたが、開催後の議員レクという説明会の中で、その管理期限については何年と定めていないと言っています。ここで衆議院議員の方が、「管理が必要という時点で安全ではないわけで、危険な資材でなければそもそも適切な管理も必要がない」と指摘されています。また、検討会自体は動画中継がなく、取材された記者の方のお話の伝聞にはなりますが、「どこに何Bqのものをどれくらい埋めたのかは『掘りかえされる恐れもあるから』という理由などでそのままの情報提供はしない」という話もあったそうです。
管理が必要なほど危険度があり、また、掘り返してテロリストなどが利用する恐れがあるから秘匿するほど高濃度のものを、全国で「活用」していくことを政府が検討していることに、とても不安を覚えます。
原子力発電所から発生する放射性廃棄物を、国が認可・確認して、普通の廃棄物として再利用又は処分できる制度を「クリアランス制度」と言うそうですが、そのクリアランス制度の基準は100Bq/kgなのに対し、汚染土壌活用事業では瓦礫同様8000Bq/kgまでが大丈夫とされてしまいます。このクリアランス制度とのダブルスタンダードを回避するために、汚染土壌再生利用は「新概念」であると説明している資料を見ると、安全基準とはなんなんだろうと不安よりも虚しさや悲しさまで湧いてきます。
まだ管理期間も定まっていない、利用範囲も、取り扱い業者の選定なども「検討中」のこの問題ではありますが、国は震災がれきの時から学び、この事業に対して戦略を立て、スケジュールを作って臨んでいます。 今このタイミングで豊橋市に、市民としてお願いしたいのは、国が事業として推し進めていることに対して、自治体としても「業務」として取り組み、備えて欲しい、ということです。市として、過去のフェロシルト問題や、直近のアスベスト問題も踏まえ、人が危険なものを管理する限界ということに対して、真摯に、環境を保全していく「業務」にこの事業に対する準備を盛り込んでいただけますようお願い致します。
豊橋の豊な自然は、未来から貸してもらっていると考えて、市民としても守り、ちゃんと返していけるよう勉強して参ります。
以上、ご清聴ありがとうございました。
今回、まだ自治体にまでは話が下りてきていない問題ということもあり、採択が発生する請願ではなく、陳情を選択しました。
上記「意見陳述」の内容が「〜なそうです。」みたいな伝聞型になっているのは、当会がこの問題に対して懸念し始めたきっかけでもあり、当時からずっと取材を続けてくださっているおしどりマコさんの記事や動画配信から情報を頂いているからです。
特に、この2019年12月19日の立憲民主あべともこ衆議院議員の議員レクの記録録画(おしどりマコさん配信)は、何回観ても、腹の底から低く「ぉおいぃいぃいぃぃ〜…。。。」と、つい声が出てしまうくらい様々な不安要素があり、沢山の方がこの汚染土活用事業のマズさを理解できる内容になっていると思いました。
是非、一度ご覧になってみてくださいッ!
環境省のスケジュール通りにいくならば、あとたった4年のうちに減容化→再生利用の打診、そして最終処分場の選定が始まります。
今回、「豊橋市」と自分の住む場所で声を上げましたが、もちろんそもそもこの戦略事業自体に激しく反対ですし、
パブリックコメントも提出はしました。そして、国民として市民として出来ることを探す中で、陳情書も1つの「声」を表す手段として活用しました。
最終処分場の選定は数年前に国有地が狙われるのでは?という話があり、県内・市内にある国有地が心配で問合せをしたりしました。国が放射性物質汚染対処を言葉尻で「分別・焼却・埋立処分・等」などと範囲を広げ、原理・原則を無視して全国に広げようとしている今、まずは知る事と、各地で今から阻止に向けて動く必要性を強く感じています。
私たちの会では、豊橋市に対して環境保全の観点から、市内にクリアランスを無視した放射性物質を持ち込ませないための条例化を求め、活動を続けていきます。
市民の不安や心配に対し、耳を傾け、真摯に対応してくださる豊橋市環境保全課に心から感謝いたします。
--- 3/28 16:17追記 ---
除染土再生利用に向けた法令改正「時期尚早」指摘相次ぎ見送り
<本文抜粋>
環境省は「安全性については確認されているが、丁寧な説明を続けていく必要がある」などとして改正を見送ることになりました。
環境省によりますと、パブリックコメントを行ったうえで方針を見直すのは異例で、今後、専門家を交えて対応を検討するとしています。
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法改正が見送られました。しかし、パブリックコメントを受けて「方針を見直すのは異例」て…。マジでガス抜きやったんやね、今まで。
言い回しで解釈次第では様々ゆる〜く活用できる「法改正」が「見送られた」だけで、戦略事業自体が中止になったわけではありません。引き続き気を付けて情報を追いたいと思います!
(豊橋いのちと未来を守る会)